レポート/「重力」を振り返る/佐藤成行

重力は恩恵を与えてくれる一方で、あらゆるものを縛り付けて逃がさない。
重力があるから歩くことができる。
宇宙のかなたに自由に飛んでいくことはできない。

歩くことも立ち上がることも、あるいはただ横になることも
全て重力があるから生まれた動きだ。
重力はお芝居の台本みたいに、制約を与える一方で制約の中で最大限の自由を与えてくれる。

ーーー重力展示概要より


くすのき荘までご来場いただいた方、Facebookにアップロードした写真でご覧いただいた方、そして今この文章をお読みいただいている方、ありがとうございます。

どういう作品なのか仕込み始めて写真がアップロードされるまで全然分からないままですみませんでした。
僕は作品を作り始める時は大抵簡単な企画書しかなくて、作りながら迷いながらブラッシュアップしていきます。アイデアがたくさんあって、作業を進めて行くうちに削ったり増えたり形が変わったりして「重力」になっていきました。最初はもっといわゆる個展らしい、小作品の集合みたいな感じにする予定でした。
これまでそんなに多くの作品を作ってきてはいないですが、スタートとゴールのギャップはどうにも埋まらないのは反省点でもあり、自分の直感を大事にしているとも言える、と、思います。


重力というタイトルに込めたテーマは「制約」と「制約の中での自由」でした。これも展示の準備を進める上で徐々に見えてきたことでした。
我々は重力の影響下で暮らしています。重力を無視してどっかに飛んでいってしまうことはできません。これが「制約」です。
そして「制約の中での自由」とはハイハイする、立ち上がる、歩く、走るといった重力があるから生まれた動きを指してます。重力の影響の中でこれらをどう使っても組み合わせてもまた使わないのも自由です。
それがなんだか戯曲のようだと感じています。戯曲という大きな制約の中で、それをどう演じるかは俳優に委ねられています。
そうした考えを経て、展示空間は制約がありつつ、その中での過ごし方を自分で選べるように作ったつもりです。

制約とその中での自由は重力や戯曲にとどまらず、私たちの暮らす社会のありとあらゆるものでもそうだと思ってます。
振り返ってみて思うのは、自分らを縛り付ける(ように見える)「制約」について、あまりネガティブにならずに考えてみたかったのではないかということです。
「制約」は邪魔もののようで私たちを守ろうとしてくれているし、その中での自由を謳歌することも楽しい。

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